障害年金は手帳なしでも受給出来るのか?

2018-08-20

障害者のための制度として有名なものに「障害年金」と呼ばれるものがありますが、この制度を利用する場合、「障害者手帳」が必要になるのではないかと思っている人も多いでしょう。しかし実は、障害年金の受給に障害者手帳は必要ないのです。

なのでここでは、障害年金と障害者手帳の違いや、障害年金を受給するための方法などについて紹介します。

障害年金の受給に障害者手帳は必要ない

「障害者手帳」は、障害者を支えるための福祉制度として最も知られたものだと言えますし、実際に様々な助成や福祉サービスを受けるために必要なものとされている場合が多いと言えます。ですので、障害年金の申請を行う際も、障害者手帳を持っている必要があるのではないかと心配している方もいるのではないでしょうか。

しかし、障害年金の受給には、障害者手帳を所持していることや、障害者手帳によって認定された等級が条件になることはありません。なので結論を言えば、障害年金の申請や受給に障害者手帳は必要ないということです。障害年金と障害者手帳は、どちらも障害者の福祉制度に関するものですが、そもそもこの2つは全く別の制度になります。

まず、障害年金は日本年金機構が行っているものですが、障害者手帳は地方自治体ごとに行われているものなので、それぞれ実施している機関が全く違います。それに基準に関しても、それぞれの制度によって異なっているため、審査項目も両者で違いがあると言えるでしょう。

ですので、障害者手帳があるから障害年金の受給が出来るというわけではありませんし、逆に障害者手帳がないから障害年金の受給が出来ないということもないのです。

そもそも障害年金とはどんなものなのか

障害年金を受給するためには一定の条件が必要になるのですが、その説明の前に、まずは障害年金の概要を知っておきましょう。この制度は、原則20~64歳までの方を対象としており、初診日より1年6カ月経過した日から受給が出来るようになります。

そして障害年金は、元々加入している年金制度によって利用出来る障害年金の種類も異なります。ですので国民年金に加入していた方は「障害基礎年金」に、そして厚生年金に加入していた方は「障害厚生年金」に振り分けられるでしょう。

障害年金を受給するための条件とは

障害年金を受給するためには2つの条件を満たす必要があるのですが、その1つ目の条件は、「初診日の前日において一定の保険料を納めている」ということです。初診日というのは、病気やケガで初めて病院を受診した日という意味であり、この日までに保険料をどれだけ納めていたのかが重要になります。

基本的には、初診日の前日において、年金加入期間の中で3分の2以上の保険料が納付されていることが必要です。そして初診日の前日において、直近1年間に保険料の未納がないということも条件になります。ただし保険料の免除期間や学生納付期間については、納付したことと同じ扱いになるため、上記の「3分の2以上」や「直近一年間」という条件からは差し引かれることになるでしょう。

また、初診日以降に保険料免除などの申請を行っても納付という扱いにはならないため、初診日の前日時点で上記の条件を満たしていない場合は残念ながら条件外ということになってしまいます。2つ目の条件は、「日本年金機構が定めている障害年金の等級に該当する」ということです。

障害年金の場合は、1級~3級までの等級が決められており、障害の程度に応じて等級が振り分けられています。

そしてこの条件でポイントとなるのが、先ほど紹介した障害基礎年金と障害厚生年金とでは、対象となると等級に違いがあるという点です。障害基礎年金の場合は、1級と2級だけを対象としていますが、障害厚生年金の場合は、1級~3級までが対象になっています。

ですので障害基礎年金で3級とされた場合は、障害年金の支給がなされないということです。また等級が意味する障害の程度については、大まかに言うと、1級は日常生活を送るのに誰かの援助が不可欠な場合で、2級は日常生活に著しい制限がある場合、そして3級は労働に制限を受けている場合になります。

障害年金の申請方法について

障害年金の申請の手順は、初診日や保険料の納付要件を調べて、必要書類を揃え、年金担当窓口や年金事務所へ申請に行くという流れになるでしょう。初診日は、それがいつだったかによって、障害年金の種類が変わってくるため、しっかり確認しておく必要があります。

そして保険料の納付要件については、未納期間がある場合は、先ほども紹介したように必要な要件を満たさない場合もあるため、書類を作成する前にしっかりと調べておきましょう。また、自分では納付要件を満たしているかどうか分からない場合は、年金事務所で調べてもらうことも可能です。

必要書類については、まず初診日の証明書類を準備する必要があり、主なものとしては受診状況等証明書と呼ばれるものがあります。しかし初診をした病院と診断書を書いてくれる病院が同じである場合は初診日の証明書類は必要ないとされています。

次に必要な書類は、診断書であり、医師に作成を依頼します。診断書は、障害年金の申請で最も重要な書類とされており、症状や治療内容がしっかりと記されていることが重要になるでしょう。さらに挙げられる必要書類は、病歴・就労状況等申立書と呼ばれるものであり、病気等が発症してから現在に至るまでの日常生活や就労の状況を記すものであり、こちらは自分で作成する必要があります。

その他の必要書類としては、年金請求書や年金手帳、戸籍抄本などがありますが、実際に必要な書類は個々の状況によって変わると言えるでしょう。

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障害者手帳も持っていたほうが役に立つ

障害年金の受給には障害者手帳は必要ありませんが、障害者手帳は、持っていた方が何かと便利な場合があります。自治体や障害の程度などによって受けられるサービスは異なりますが、所得税などの税金の控除や公共交通機関の運賃割引、そして携帯電話などの通信料の割引などを受けることが出来るのです。

また、障害者手帳というのは障害年金と比べて対象者の範囲が広いため、比較的軽い症状の場合でも対象になる場合があります。ですので、障害年金の対象から外れてしまった場合であっても、障害者手帳の対象になることがあるため、いずれにしても障害者手帳の申請をしておくことをお勧めします。

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